MA
2023.05.01
絶対活用したい「リードナーチャリング」!基礎から手法まですべて解説します
目次
- 将来の顧客を育成する「リードナーチャリング」とは
- マーケティングの方法と流れ
- リードジェネレーション:見込み客の獲得
- リードナーチャリング:見込み客の育成
- リードクオリフィケーション:見込み客の選別
- リードナーチャリングのメリットと注意点
- メリット①:見込み顧客を囲い込みすることができる
- メリット②:効率の良い工程になり受注率があがる
- メリット③:保有資産により無駄なコストが発生しない
- メリット④:中長期的な戦略で効率があがる
- メリット⑤:信頼してもらいやすくなる
- 注意点①:効果を実感するまで改善・打開する時間がかかる
- 注意点②:リードナーチャリングだけで売上に繋げることは決してない
- リードナーチャリングにおける手法
- まとめ
BtoBマーケティングにおける「リードナーチャリング」という手法はご存知でしょうか。
見込み顧客を受注まで繋げる手法として近年日本でも注目を浴びつつありますが、実際にどうやって取り組むのか知らないという方も多いでしょう。
今回は、そんなリードナーチャリングについて、どのように実施していくのか、
取り組むメリットや注意点について詳しく解説します。
将来の顧客を育成する「リードナーチャリング」とは
リードナーチャリング(Lead Nurturing)とは、見込み客の育成プロセスのことです。
将来顧客となりうる個人や企業に対し、定期的なメールマガジンの配信・SNS発信・セミナー開催などの情報提供を通じて、徐々に購買意欲を高めるマーケティング活動を指します。
いままでは、「数多くの電話をかけてアポを獲得する」「何度も顧客のもとへ足を運ぶ」などの、“とにかく数をとる“行動で新規顧客を獲得することが一般的でした。
しかし近年では、インターネットの普及によって、買い手が多くの情報を手に入れられるようになり、購買プロセスが変化したのです。
結果、このマーケティング手法が日本でも注目を浴びるようになりました。
マーケティングの方法と流れ
一般的なマーケティングの流れは、以下のとおりです。
1,Web広告・コンテンツマーケティング・テレマーケティングで集客
2,ランディングページ・資料ダウンロード・展示会・テレマーケティングなどで見込み客の獲得(リードジェネレーション)
3,メールマガジンの配信・SNS発信・セミナー開催・テレコールなどで見込み客の育成(リードナーチャリング)
4,カスタマージャーニー設計・シナリオ設計・スコアリングを通じて見込み客を選別(リードクオリフィケーション)
5,インサイドセールス・フィールドセールスなどに顧客情報を引き継ぎ
リードナーチャリングは、このようなマーケティング活動の一部分です。
「効率的な営業を行いたい」「より見込み度の高まった顧客にアプローチしたい」などの課題を解決する、重要な部分といえます。
つぎに、「リードジェネレーション」・「リードナーチャリング」・「リードクオリフィケーション」について、それぞれ詳しく解説していきましょう。
リードジェネレーション:見込み客の獲得
リードジェネレーション(Lead Generation)とは、リードを生み出すこと、
つまり見込み客の獲得です。
オンラインではおもに、広告を配信してランディングページへ送客したり、資料ダウンロードを通じてメールアドレスを取得したりする方法を行います。
オフラインでは、展示会やテレコールが一般的で、リアルな接点をもちます。
リードナーチャリング:見込み客の育成
リードナーチャリング(Lead Nurturing)は冒頭でご紹介したとおり、見込み客の育成のことです。
メール・SNS発信・オウンドメディア・セミナー・Webサイト・ブログ・アプリなど、さまざまな手法が存在し、見込み顧客へ正しい情報を提供していきます。
このプロセスでヒアリングをして顧客ニーズを把握し、コンテンツ作成を行えば、より効果的なアプローチが可能になるでしょう。
MA(マーケティングオートメーション)というマーケティング活動を推進するツールを導入し、見込み客の一人ひとりに合わせたコミュニケーションを成功させることもできます。
リードクオリフィケーション:見込み客の選別
リードクオリフィケーション(Lead Qualification)とは、見込み客の選別のことです。
セミナー参加、トライアル版の申し込み、問い合わせなどさまざまな選別方法があります。
選別に際しては見込み客の役職や決済権のある予算範囲、どれくらい自社商品に注目しているのか、顧客の課題と自社がもっている解決策など、さまざまな要素を考慮する必要があるでしょう。
つぎのステップでは、実際に商談を担当する人に顧客情報を引き継ぐため、担当者とのコミュニケーションが大切です。
できるかぎり確度の高い顧客とだけ商談できるよう、各担当部署が横断して渡せる顧客情報の条件をすり合わせておくといいでしょう。
リードナーチャリングのメリットと注意点
ここでは、リードナーチャリングのメリットと注意点をご紹介します。メリットは以下の5点です。
1,見込み顧客を確実に確保する
2,効率の良い工程になり受注率があがる
3,保有資産により無駄なコストが発生しない
4,中長期的な戦略で効率があがる
5,信頼してもらいやすくなる
なお、注意点は以下の2点です。
1,効果を実感するまで改善・打開する時間がかかる
2,リードナーチャリングだけで売上に繋げることは決してない
上記のメリットと注意点を踏まえて、リードナーチャリングを行いましょう。
それぞれについて、詳しく解説していきます。
メリット①:見込み顧客を囲い込みすることができる
リードナーチャリングを行うことで、見込み顧客の確保や見極めが可能です。つまり、顧客の損失を最小限に抑えられます。
通常の営業活動のみで顧客対応を行う場合、顧客が増えるとどうしても対応漏れが出てきてしまうでしょう。
また、営業担当者のスキルやリソースなどによっても顧客の数が左右されます。
先述したMA(マーケティングオートメーション)を使えば、顧客の育成ができるため、顧客への対応漏れもなく確実に囲い込みが可能です。
メリット②:効率の良い工程になり受注率があがる
顧客を育てていくことで、自然と見込み度の高い顧客が明らかになります。
より確度の高い顧客に対して、組織全体でアプローチしていくことが可能です。
メリット③:保有資産により無駄なコストが発生しない
リードナーチャリングを通して、確度の高い顧客にのみアプローチができるため、無駄なテレアポ・訪問・飛び込み営業などのコストが発生しません。
メリット④:中長期的な戦略で効率があがる
リードナーチャリングは、適切なタイミングで情報共有を行うために、中長期的に顧客との接点を作ります。
会社側の都合で押し売りするのではなく、顧客の購入意欲が高まったタイミングでアプローチするので、効率的な戦略だといえるでしょう。
メリット⑤:信頼してもらいやすくなる
リードナーチャリングは中長期的に顧客との接点を作るため、自然と接触回数が増え、ザイオンス効果が働きます。
ザイオンス効果とは、同じ人やモノに触れる機会が増えれば増えるほど、その人やモノに好感をもつようになる心理現象のことです。
また、見込み客に対して適切なタイミングで情報共有をしてくれるため、顧客側にとっても信頼感やイメージがよくなるでしょう。
注意点①:効果を実感するまで改善・打開する時間がかかる
リードナーチャリングは、試してすぐに結果が出るものではありません。
先述したとおり、リードナーチャリングは顧客との中長期的な接点を作る活動です。
目の前の数字が要求される営業部門での実施は難しく、マーケティング部門で実施されることが多いでしょう。
そのため、マーケティング部門は営業部門との情報共有が必須です。
「確度の高い顧客の条件とは?」
「顧客がもつ想定されるニーズとは?」
「顧客が契約した要因とは?」
など、さまざまなことを部門間を横断し相互理解と連携が必要になります。
注意点②:リードナーチャリングだけで売上に繋げることは決してない
もちろん、リードナーチャリングだけでは売上になりません。
受注までのマーケティング活動の一部であるため、営業活動があったうえでの受注、会社の売上となります。
売上までには営業との連携は欠かせません。
普段から営業とコミュニケーションをとり、意見交換ができる関係を整えておくといいでしょう。
リードナーチャリングにおける手法
メールマガジン
Eメールで定期的に情報提供を行うことで、顧客との接点を保ちます。
また、メールへの反応率を定期的にはかることで、見込み度の高いと予想される顧客の情報が得られます。
SNS発信
近年では、Google検索だけでなく、SNSでも有益な情報が手に入るようになりました。
たとえば、自社商品を検討している顧客が口コミを調べたり、有益な情報を発信しているインフルエンサーからトレンドを調べたりすることが可能です。
これからSNSは、どんな企業でも外せないタッチポイントのひとつとなるでしょう。
セミナー開催
現在では、気軽に参加できるウェビナーが活発に行われています。
しかしWeb上でのセミナーは参加しやすいぶん、さまざまなユーザーが混在しており、その後のアポや受注につながらないことがあります。
セミナー参加のリストだけでなく、ほか接点のデータもあわせて分析することで、それぞれの顧客に適切なアプローチが可能になるでしょう。
ブログ
自社ブログなどの良質なコンテンツを配信することで、顧客の育成を行えます。
またコンテンツを自然検索経由でのサイト訪問数を増加させるためのSEO施策として活用していく場合は、広告費に頼らないリードジェネレーションも可能です。
テレコール
原始的な方法で敬遠されがちですが、顧客の良質な情報を得られる有益な手段です。
Web上でのコミュニケーションのみだと、見込み顧客の想定がズレてしまうことが多々あります。実際の顧客の声を聞くことで、コンテンツ作成、シナリオ作成、カスタマージャーニー作成などに活かすことが可能です。
まとめ
リードナーチャリングは、見込み顧客を受注まで導いていくために育てていBto Bマーケティングの手法です。日本でも注目を浴びつつありますが、きちんと取り組めていないこともあります。
リードナーチャリングは、すぐに売上に結びつくわけではない、地道な作業を必要とします。
しかし働き方改革によって効率が求められているなかで、リードナーチャリングは有益な手法です。
企業のマーケティング活動の効率化がはかれるだけでなく、既知客との取引を再開させることや、マーケティング・営業チームの双方の売上向上へのモチベーションアップにもつながります。
ぜひこの記事を参考にして、リードナーチャリングを実施してみてはいかがでしょうか。
早川 勉
デジメーション株式会社 シニア・アソシエイト
WEB広告代理店に入社し、主に西日本エリアのメディア担当として大手から地場企業までを広くサポート。アクセス解析やデータ活用を中心に効果改善を図る。