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2023.05.01
Cookie規制で再考するインターネット広告
目次
成果に繋げる広告運用先をお探しなら
その広告、売上につながっていますか?成果に繋げる方法からお伝えします。初めて広告する方やセカンドオピニオンなどお気軽にご相談ください。
WEB広告の世界ではユーザー情報を活用したターゲティング広告が主流ですが、最近ではユーザーのプライバシーを重視する動きが活発となっています。
中でも、WEB担当者にとって見逃せないのが「Cookie規制」でしょう。
Cookie規制は、WEB広告にどのような影響をもたらしているのでしょうか?今回は、ここ数年のCookie規制強化を踏まえ、そこから見える純広告の重要性について解説します。
Cookie規制により見直される「純広告」の価値
近年、日本だけでなく世界的に個人情報保護を重視する傾向が強まっています。
これまで当たり前のように活用していたCookieを規制し、より厳しくユーザー情報を取り扱う企業が増加しているのです。
Cookie(クッキー)とは
ホームページを訪問したユーザーの情報(ユーザーID、パスワード、メールアドレス、訪問回数など)を一時的に保存する仕組み、あるいはデータそのものを「Cookie(クッキー)」といいます。
Cookieのメリット
ユーザー情報を記憶させておくことで、以前訪問したWEBページに再ログインする際、自動入力ができるため自分で情報を入力する手間を省略できます。
FacebookやTwitterをはじめとしたSNSにIDとパスワードを入力することなくログインできたり、ショッピングサイトから一度離脱した後、再度閲覧してもカートの中身が残っていたりするのはCookie機能が働いているからです。
このほか、Cookieによってユーザーの年齢、性別、興味関心、閲覧するホームページの傾向といった情報をふまえた広告(ターゲティング広告)が表示されるなど、ユーザーにとって便利なインターネット環境を作り上げている仕組みのひとつともいえます。
なぜ、メリットもあるCookieの規制が加速しているのかというと、Cookieのデメリットが関係しています。
前述の通り、従来はCookieを通してユーザーの情報・行動を収集しターゲティング広告を表示させたり、データ収集に役立てたりしていましたが、プライバシー保護の観点から問題視する声が増えているのです。
実際、2019年には日本でCookie規制の流れを生んだ事件が発生しました。就職情報サイト「リクナビ」が就活生のサイト閲覧履歴などを元に「内定辞退率」を予測し、その情報を採用企業に提供していたことが発覚。大きな問題になりました。
これを受け、2019年11月に個人情報保護委員会が「Cookieの利用でデータの提供先企業が個人情報を扱う場合、新たな規律を検討する」と発表。本人の同意なくCookieなどの情報から個人を特定したりする行為が禁止されるといわれています。
また、2018年5月、EUでGDPR(General Data Protection Regulation=一般データ保護規則)が施行されたり、2019年5月にはGoogleがCookie規制強化を発表したりするなど、こうした動きは日本だけに止まりません。
今後はCookieに頼らず、ユーザーにとってもより利便性の高い安全な広告形態が実現していくと予想されており、特定の媒体にターゲット属性を絞って露出することができる「純広告」の価値を見直す流れも生まれています。
運用型広告と純広告の双方をうまく活用する広告運用が理想
WEB広告においては、現在も幅広いユーザーにアプローチできる運用型広告が主流です。
運用型広告の代表的なものが、Google広告やYahoo広告と呼ばれるリスティング広告です。
リスティング広告も検索キーワードに対して広告を出す検索連動型広告(≒検索キーワード広告)やバナー画像やデータフィードを活用したディスプレイ広告が主になります。
しかし、Cookie規制に代表されるWEB広告の変化に伴い、特定のWEBサイトに掲載する純広告も合わせて運用していくことが理想です。
ここで、純広告の特徴やメリット・デメリットをあらためて振り返ってみましょう。
純広告とは
特定のWEBサイトなどの広告枠を買い取り、一定の期間にわたって掲載する広告を指します。
予約型広告(リザベーション広告)とも呼ばれており、Yahoo!のトップページ右上の広告枠が代表的な純広告です。
テキスト、バナー、動画など、ひとくちに純広告といっても用途に合わせてさまざまな種類を選択することができます。
出稿先の媒体規模が大きければ大きいほどより多くのユーザーの目に留まるため、高いブランディング効果が期待できる広告手法といえます。
純広告のメリット
露出効果が高いため、潜在層をはじめとした幅広いユーザーへのアプローチが可能です。
また、契約形態によって表示回数、掲載期間、クリック回数など、設定した一定の指数まで広告を掲載し続けることができます。
純広告のデメリット
大手メディアほど広告掲載費用が高額になります。また複数の媒体に広告を配信するディスプレイ広告やアドネットワークなどと異なり、広告掲載は契約した特定のWEBサイトに限られます。
ただし、サイト分析や顧客分析を実施したうえで、成約率や獲得率を把握したうえで、特定の見込み顧客に対して広告配信する場合は、純広告が費用対効果として高くなることがあります。
また中長期的な観点としては特定の見込み顧客に対してブランド戦略としては引き続き有効になります。
そのため運用型広告と純広告はどちらか一方ではなく、双方をうまく活用することで、それぞれのメリットを活かしデメリットを補い合う広告運用が可能となるでしょう。
WEB広告を取り巻く環境変化に応じ、広告手法を柔軟に選択しよう!
インターネットがマイノリティな世界からマジョリティな世界に変化したことに伴い、
Cookie規制に向けた国内外の動きが進みゆく中、純広告の信頼性や重要性が見直されつつあります。
媒体の規模が大きいほど広告投資額は高くなるものの、より多くのユーザーにアプローチできるのが純広告の魅力です。
今後は、運用型広告だけではなく、WEB広告を取り巻く環境の変化や自社の目的に応じて柔軟に広告手法を選ぶことが重要となり、またそのためのWEBとしての戦略設計が必要となります。
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早川 勉
デジメーション株式会社 シニア・アソシエイト
WEB広告代理店に入社し、主に西日本エリアのメディア担当として大手から地場企業までを広くサポート。アクセス解析やデータ活用を中心に効果改善を図る。